ABOUT
WORK
nim
nimShowreel2023
クリエイティブスタジオnimのショーリールを制作。nimの発足から現在に至るまで、これまでの軌跡を一望できる映像となっている。
ただ作品をまとめるだけではなく、nimの強みを生かした演出を取り入れたいという思いから、イントロダクションにはチーム初となる自主制作コンテンツを取り入れた。
海闊天空
本作品ではVRゲームをイメージしている。チームが発足した当初からゲーム関連の案件が多く、視聴者層の多くを10代が占めていることから親和性が高いと考えた。
主人公には擬人化したnimを据えて、VRゲームの冒頭演出からタイトル画面まで一人称視点で展開されていく。
「他のチームとは異なる独自のアプローチで挑戦を続け、その結果として現在新たな景色や大きな目標が次第に見えてきている」というチームの現状から新しい物語が始まる瞬間を描いた。
扉の向こうに広がっている海や空には、これからも新しいデザインを生み続けるという意味に加えて、今後の海外挑戦という意味も込めている。
VRゲームをモチーフとした自主制作パートの音楽においてもゲームから着想を得ている。
世界観のあるゲーム音楽の質感や仕組みを模倣するため、ピアノやストリングス、ステレオ感の広いシンセサイザーなどを選択。プレイヤーがゲーム内のトリガーを通過して発動するイメージで、状況に合った音楽になるよう拍子のグリッドを度外視したダイナミックな編曲を心掛けた。
ー年の集大成であるリール本編の音楽には「Neuro Bass」という音色を主軸としたジャンルを選んだ。
歪んだシンセサイザーと重いドラムを中心としつつ、ガムラン楽器やハーモニクス奏法のギターなどを用いた繊細で有機的な雰囲気も同時に持たせ、ポップな2Dグラフィックから荒廃した3D環境デザインまで幅広くマッチした楽曲に仕上げている。nimというチームの多面性を表現した。
光明の導き
「誰も成し遂げなかったことに挑戦したいという想いから、彼は遺跡に足を踏み入れた。氷点下40度の暗闇の中、どの道を進めば外に繋がるのかわらずに心が折れそうになっているとロボットが現れる。跳ねるように飛び回って、まるで人が来るのを喜んでいる様子だ。」
「ロボットはこの遺跡の案内役として生まれたが、誰も来ないまま時間が流れていった。果てしない孤独の中で、ロボットは案内した先に何があるのかを考えていた。次第に遺跡の外に出たいという意思が芽生え始める。だが、ロボットはプログラムにより与えられた使命を放棄することはできない。」
未知の言語で主人公を案内するロボット。ビープ音によって声を出している。
「彼がこの遺跡を訪れない限りロボットは扉の先になにがあるのか見ることもできず、彼もまたロボットに導かれていなければ遺跡を踏破することはできなかった。この出会いは互いにとって希望の光となったのだ。」
「一人称視点ゲームのような映像」がテーマであるため、3Dシーンのレイアウトやブラッシュアップを一定のカメラワークで行っていく必要があった。
限られたカメラの中で可能な限りスケール感や調整が行えるよう、シーンのモデリング、レイアウトは基本的に一部を除きすべてプロシージャルで構築し、制作に柔軟性を持たせた。
主人公、ロボット、環境音の三つの効果音を大きな括りとして扱い、それぞれの残響などを細かく制御し、狭い通路から開放的な空間に広がっていく様子を表現した。
扉を開いた先での「驚き」を本作品の肝として考えており、自然豊かで色鮮やかな景観に対して、遺跡の中は暗く、質素にすることでビジュアルにギャップを与えている。
ロボットが未知の言語による合言葉で扉を開くと、そこには海や空が広がっている。開放的な景色の中には新たな扉が待っていた。
また、ゲームUIのグラフィックは現代の宇宙開発などで使われているものを参考に、探索者の使用環境と世界観を踏まえてSF映画のようなインターフェイスのエッセンスを加えたデザインになっている。マップや方角の表示が一人称のゲームのように視点と同期しており、スーツの外側の気温もシチュエーションに合わせてリアルタイムに変動している。
原始の扉
「nim Showreel 2023」のタイトルロゴは既存フォントとnimのロゴから派生したタイポグラフィーを混ぜたデザインになっており、未知の文化との遭遇というストーリーや複数の映像の掛け合わせというリールの性質に沿ったものになっている。
空はすべてコンポジット側で作成し、タイトルロゴに合わせて雲や光源の位置、空のトーンを調整できるように制作した。
ゲームのタイトル画面をイメージ。
「Press to Start」を押すと、扉を中心とした3Dシネマティックの空間と2Dモーショングラフィックスの世界が駆け巡り、リール本編が始まる。
リール本編が終わると再び扉の前に。
扉のアウトラインを浮き立たせ、nimロゴの一部だったということを示唆している。
Production Credits
制作
nim
監修
Nate, Takuan Paradise
3Dデザイン
Takuan Paradise
3Dモーションデザイン + 編集
Nate
グラフィックデザイン
Kaoru Miyazaki, Tatsuya Suga, Nate
2Dモーションデザイン
Nate, Tatsuya Suga
音楽 + 音響
Mameyudoufu
スペシャルサンクス
Sam, NXTERIUM
スペシャルサンクス
Kole
etc.
Crazy Raccoon
TGS2023 × Crazy Raccoon Cup STREET FIGHTER 6 Main Title
Crazy Raccoon
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