Crazy Raccoon Cup(以下、CRカップ)に使用されるロゴデザイン、画面デザイン、映像演出、BGMを制作。
CRカップは、esportsの発展を目的としたプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」主催の大会。プロゲーマー、ストリーマー、クリエイター、タレントなど、様々な分野で活躍する人物が招待されるオンラインイベント。
CRカップは国内最大級の視聴者数を誇るeSportsエンターテインメントショー。各参加者視点も含めれば、視聴者数は延べ50万人を超えることもある。
しかし、プロの公式大会に匹敵する視聴数でありながら、デザインや演出などはCRカップが設立された頃とほとんど変わっていなかった。
今回、CRカップの中でも特に人気の大会「Crazy Raccoon Cup Apex Legends」が節目となる第10回開催を迎えるに当たって、国内最大級の大会を誇って名乗ることができるように、ロゴデザイン、画面デザイン、映像演出、BGMのすべてを刷新した。
CRカップの新たなロゴデザインとして、SNSアイコンなどにも使えるシンボルロゴを考案した。アルファベットの「C」と「R」、チームを表す三角形を組み合わせて、ロケットのように見えるロゴをデザインした。チームの絆で頂点を共に目指していくという大会のコンセプトに沿ったものになっている。
ロゴの色と背景の色の組み合わせで様々なゲームタイトルの大会開催に合わせられるようになっており、該当の大会期間中はSNSアイコンやヘッダーの色を変えることで、今の最新のCRカップの開催タイトルがひと目でわかるようになっている。
シンプルでアイコニックな造形から、配信画面の各種パーツとして利用したり、矢印的な造形を活かしてトランジションの構成要素として使用することができる。
ロゴタイプには縦長のロゴに併せてエネルギッシュな書体を選択。この縦長書体は配信画面やSNSでのプロモーション画像および映像、様々な場所でCRカップのアイデンティティとして扱うことができる。視認性を考慮して、サブ書体としてNeue Haas Grotesk Display Proも採用している。
配信画面は全体を通して「見やすく、美しく、カッコいい」を意識。ロゴでも使用している縦長書体を見出しとして使用し、全体の統一感を図っている。ロゴタイプと同様にアクセントカラーの赤色を変更することで、様々ゲームタイトルに対応可能。随所に平行四辺形の意匠を入れているが、これは以前のCRカップのデザインにおいて、背景などに平行四辺形が多く使われていたことの継承である。
背景など随所に使用されている3DCGは、「国内最大級を誇るトップの輝き」に様々なジャンルの人が参加しているという観点から「七色の虹、プリズム」をイメージ。立体化したシンボルロゴを分解し、ガラスのようなマテリアルのオブジェクトに変換した。
スライドコンテンツはアニメーションカーブの種類を限定させることで、全体としての統一感を生み出しながらも、高い汎用性を持たせた設計をしている。
待機BGMでは劇場映画の予告編のような音楽と、落ち着いた雰囲気の電子音楽をかけ合わせて、期待感や緊張感を演出している。
解説とチャンピオンのBGMは緩急のつけやすいBPM150前後を選択。待機BGMとは対極となる高いテンションの曲調で、国産MMORPGのような高揚感と聞き馴染みのある雰囲気を演出。弦楽四重奏やベースミュージックなど多彩な方向性を合わせることで、大会の高尚さや全世界へ発信していく力を込めた。
効果音はグラフィックの複雑さや勢いに負けない音作りを意識した。特にチャンピオン演出では敢えて音が割れそうな状態にすることで、大きな出来事を達成したときの爽快さを表現している。
また、BGMと同じ音階にすることで、音声が重なった際に違和感が出ないような作りになっている。