TGS2023×CR CUP ストリートファイター6のオープニング映像を制作。本イベントは東京ゲームショウ2023のメインステージスペシャルイベントとしてオフラインで開催された。
Crazy Raccoon Cupは、esportsの発展を目的としたプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」主催の大会。プロゲーマー、ストリーマー、クリエイター、タレントなど、様々な分野で活躍する人物が招待される。
本作はCrazy Raccoon Cup ストリートファイター6を象徴する拳のモニュメントを軸にしたシネマティック映像。
第一回大会が大きな盛り上がりを見せたことから、その感動の記憶によって天空に浮かぶ大地が形成されたというストーリーになっている。
「重圧を握って、拳で語れ。」というキャッチコピーは、ストリートファイターの主人公であるリュウのセリフをベースに、「自分自身のプライド、チームメンバーや応援してくれているファンからの想いは一人で背負うには重すぎるが、そのプレッシャーを力に換えてこそ頂点に至ることができる。」という作品のテーマを合わせた。
「天空に浮かぶ大地は、地上の人々の記憶やイメージによって形成されている。その大地を構成する結晶は人々の記憶が薄れていくと共に消えていった。新たな大地を生み出すには多くの人の記憶に残る必要がある。だが、そんな鮮烈な出来事は平和な世界では滅多に起こらない。 天界はその形を保つため、地上に争いの種を蒔いた。降り注ぐ結晶のかけらを手にした者から勝者だけが天空の大地に足を踏み入れることができると、偽りの希望を与えて。 」
「そうして生まれた結晶は、激しい戦いを勝ち抜いた者たちの記憶を持ち、その造形は彼らの勇姿を象っていた。彼らは石像として、確かに天空の大地に至ったのだ。 」
「しかし、その記憶も永久に続くものではない。勝者の石像は、かつての大地と同じようにひび割れていき、やがて拳だけになっていく。 大地を生み出す新たな記憶を求めて、拳のかけらを地上に振り撒いた。再び、戦いの幕が上がる。」
タイポグラフィでは「ストリートカルチャーの荒々しさ」と「晴れ舞台のフォーマルさ」の融合を目指しており、ストリートカルチャーの要素として、グラフィティの一種であるタギングと呼ばれる手法を用いて参加チームなどのタグを作成した。
アニメーションではデザインコンセプトや使われている書体の雰囲気から、全体的に上品でシックな印象に仕上げているが、タギングにはスピード感を持たせることでアクセントにしている。
音楽ではゲーム本編の近代的な雰囲気やストリートカルチャーを落とし込むためにTrap EDMを土台にしている。序盤ではゲームのBGMを参考に断片的なシンセサウンドで緊張感を出し、深めの残響効果で映像に合った広い空間を演出。
天空の大地が街に降り注ぐシーンでは超常的な力を表すために、Trap EDMの雰囲気を残しつつメロディックダブステップの要素を加え、打ちつけるようなリズムと上下に激しく動くメロディで、大会に臨む人々の覚悟や情熱を描いた。